感染症対策のため、ここ2年ほど美術館に行くのを控えていましたが、調べてみると今年は注目すべき展示がたくさんあり、とくにフェルメール展にはぜひ行きたかったのでついに解禁しました。
現在は完全日時指定制となっているので、注目作品に人だかりができることもなく、程よい人数の中で観られて感染症対策としても、鑑賞としてもとても満足でした。
「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」
●東京都美術館:2月10日(1月22日から延期)〜4月3日
(北海道、大阪、宮城に巡回)
フェルメールとは
フェルメールは17世紀のオランダの画家で、『真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)』『牛乳を注ぐ女』などが有名です。現存する作品は三十数点ほどと言われ、少ない作品ながらも多くの人に愛される画家です。
『窓辺で手紙を読む女』について
フェルメールは特定のモチーフを何度も扱うことで有名です。とくに「手紙」をモチーフにしたものが多く、今回の『窓辺で手紙を読む女』はから差し込む光の表現、室内で手紙を読む女性像など、
フェルメールが自身のスタイルを確立したといわれる初期の傑作と言われています。
この作品の、壁に描かれていたキューピッドはフェルメール本人が消したものとされていました。しかし、2017年〜発足のプロジェクトにより別人が消したということが明らかとなり、4年越しで修復した作品が所蔵館以外ではじめて日本で披露されます。

『窓辺で手紙を読む女』の壁に恋愛を意味させるキューピッドが描かれたことにより、手紙が恋文であるということが明らかとなるそう。まさに歴史を変える発見ということですね。展覧会では絵画修復のプロセスも公開されています。
歴史を変える発見。4年に渡る修復プロジェクト
この作品の、壁に描かれていたキューピッドはフェルメール本人が消したものとされていました。しかし、2017年~発足のプロジェクトにより別人が消したということが明らかとなり、4年越しで修復した作品が所蔵館以外ではじめて日本で披露されます。
『窓辺で手紙を読む女』の壁に恋愛を意味させるキューピッドが描かれたことにより、手紙が恋文であるということが明らかとなるそう。
展覧会では絵画修復のプロセスも公開されています。上ニスを綿棒で丁寧にとり、壁を塗りつぶした絵の具を顕微鏡とナイフで丁寧にこそげ取るというめちゃくちゃ神経使いそうなお仕事でした。
展示作品の感想・気になった作品など
メモするものがなかったので公式サイトに出ているものだけになってしまうのですが><気になった作品をつらつら書きます。
フェルメール《窓辺で手紙を読む女》

フェルメールの作品はこの1点だけです。展示の中盤に用意されていました。修復の過程や、キューピッドが現れたことによるこの作品が持つ意味の変化を丁寧に解説してくれたので物足りない感覚はありませんでした。(以前フェルメールの何かの展示があったときはただ作品が置いてあって「これだけ?」と思ってしまったことがあったので)
上ニスを剥がしたことで黄色がかっていた絵が鮮やかになり、かなり絵の印象が変わりましたね。手前にある布の生地感や窓に映る女性の姿など細かい部分がよく見えて素敵でした。個人的にはキューピッドのない絵のほうが好きかなーと思いましたが、歴史を変える発見には心が躍ります。
ヤン・デ・ヘーム《花瓶と果物》

ワルラン・ヴァイヤン《手紙、ペンナイフ、羽根ペンを留めた赤いリボンの状差し》

ヨセフ・デ・ブライ《ニシンを称える静物》

パウルス・ポッテル《家畜の群れ》

ヘラルト・ダウ《歯医者》

私は筆致の細かいものが好きなので艶のある花や食卓といった静物画とかが気になりました。ワルラン・ヴァイヤンの《手紙、ペンナイフ、羽根ペンを留めた赤いリボンの状差し》は現代っぽさのあるキュートな雰囲気が気になりました。
《歯医者》はテーマ自体は好みではないのですが、額縁のような窓・こちらにせり出すように描かれる容器類の描き方がよく見る絵画と違って面白いと感じました。
まとめ
ひさしぶりの美術館、そしてフェルメール展、とてもよかったです。フェルメール展といっても1〜2作品しか見れないのがやっぱりいつも寂しいなと思いますが、今回はキューピッドの出現という大きな発見を見ることができてよかったです。
音声ナビで聴ける、公式テーマソングも素敵でしたよ〜!ぜひ聴いてみてください。