私は若い頃から将来設計を考えながら生きているタイプでした。Webデザイナーとして自分は何になっていくべきなのか?結婚・出産でキャリアが止まったらどうしたらいいのか?など昔から考えていて、最近自分の中で思うことを書いてみました。
ロールモデルがいなかった新人の頃
ずっと美術が好きだったので関連した仕事に就きたいと思って就職したのがWebデザイナー。
就職したての頃はWebデザイナーというと「残業が多くブラックな職種」。
実際私も8時50分出社、22時まで残業の毎日でした。大手の会社だったので22時に強制退社なのですが、これでもまだいいほうで個人の制作会社では徹夜は当たり前の業界でした。(友達は徹夜続きで10円ハゲができていました。)
型にはまって考えがちなので、
「いつかはアートディレクターやクリエイティブディレクターにならなくてはいけないのかな」
「今のスキルではWebデザイナーと自称できない。Javascriptとphpも覚えなくては」
と勉強ばかりしていました。
学生時代の環境もあって、女性も自立しないと不便をするという気持ちが人より強いんだと思います。
ちなみに今でもJsとphpはろくにできません。向いてなかった(笑)。
女性は結婚して子育てをする頃になったら仕事との関わり方も変わってきます。
Webデザイナーはわりと新しい職種なので上の世代のそういったロールモデルが少なく、女性は会社でバリバリ働くようなタイプか、独立しているかどちらか。
仕事もしつつ落ち着いた家庭を築きたかった私は、結婚して子供ができてからもそんなふうにできるのかピンときませんでした。
世の中が変わってきた20代半ば頃
20代半ばごろになると世の中が変わってきて、Webデザイナーは「残業が多くブラックな職種」から「自由で働きやすい職種」に変わってきました。
SNSもさらに普及してきて、Webデザイナーや働く女性のロールモデルが探しやすくなりました。いまと数年の違いですがこのころはまだ子育て女性にとって働きやすい会社はまだ先進的なところだけで、待機児童問題なども深刻だったように思います。
いまいち自分のキャリアパスは描けていなくて、マネジメントに少し手を出してみたり、転職してみたり、モヤモヤしている時期でもありました。
キャリアが安定してくるであろう30歳前後で結婚して、ワーママが働きやすい会社で働きたいという希望だけは描いていたかな。
自分のことが見えてきた現在
そこからさらに数年、アラサーになり結婚もしました。
まだまだ発展途中だけれどとくにIT業界は働きやすい会社が増えてきて、首都圏の待機児童問題も少しずつ改善されてきています。
副業が推進されたこともあり、複数の肩書きを持つ人も増え、コロナのテレワーク推進も後押しして世の中が多様な働き方に対して寛容になってきました。
私自身はいい意味で自分の身の丈がわかってきて、結婚後もずっと仕事はしたいけれど第一線の会社で働くほどシビアでなくてもいい、ほどよく裁量があり家庭と仕事のバランスが取れてストレスなく働きたいということがわかってきました。
20代の頃は「スキルアップしなければ食いっぱぐれる!」という強迫観念でやっていたと思っていた勉強も、じつは勉強することが好きだったことに気づいたので、いまは楽しくやれる勉強を選んでいます。
今はこんなふうになりたい
「これからは10年後になんの職種が残っているかわからないから、10年後の自分の将来を考える必要はない」という考え方も増えてきています。それを聞いて私も最近はWebデザイナーとしてのキャリアパスを意識しすぎる必要はないなと思えるようになってきました。
先にことをまったく考えないのは危険かなと思いますが、いまの自分の延長線上で視野を広げていくのがいいと思うので、数年後までの見立てをして動いている状態ですね。動画の波が来てるしおもしろそうだからやってみようとか。
最近は複数の肩書きを持つ方も多いので、会社員として安定して働くかたわら、副業で自分の好きなことをするのもいいし、イラストを描いたり、動画を作ったりしながら子育てしているママさんも素敵だなと思っています。
「何者かになろう」というよりは、「『なんかあの人いいよね』っていう個人」を目指している感じでしょうか(笑)。
昔一緒に働いていたデザイナーのMさんが、『おしゃれな生き方をしているママ』って感じで、イケてる感じをアピールするわけでもなく、話をすると「あれ素敵ですよね」って好きな映画やデザイナーの話がするっと出てきて、自分の日常と世界観を大切にしているような、あんなふうになりたいのかもです。
余談ですが私が日常会話で「素敵ですね」とよく言うようになったのもそのMさんの影響です。「素敵」って会話の中で言う人が若かりし頃の私には衝撃だったんです。
あとはポーラの社長に就任した及川美紀さんが、バリバリのキャリアウーマンという感じでもなく、柔軟でほがらかなところが新しい時代の働く女性像に合っている気がして注目しています。
ポーラ初の女性代表取締役社長・及川美紀さんインタビュー
https://precious.jp/articles/-/22243
仕事と家庭、両方楽しめるバランスというのが私にとって最重要かも。
地球や社会に貢献するようなこともいつかやってみたいなと思いますが、それは焦らずあたためておきます。
まとめ
Webデザイナーのキャリアについて最近思うことをつらつらと書いてみました。20代の頃は「Webデザイナーはこうでなければいけない!」という自分の思い込み+ロールモデルが少ないということで将来にずいぶん悩んでいました。
最近はロールモデルが増えてきたことや社会情勢が変わったことでだいぶ視界がひらけて、「こういうふうに働きたい」というイメージができてきました。こうやって振り返るとものすごいスピードで世の中が変わっているので、これからが楽しみ。